いろいろある体の不調の中で、とても身近な存在の下痢。
アニメなんかで外に出られない状態で下痢に、、、なんてコミカルに描かれますが、実際そういう状況になると辛いなんてもんじゃないですよね。
下痢の原因について考えて、下痢になりにくい生活習慣を心がけて見ましょう。
また、注意すべきポイントも考えて、どんな時に医療機関を受診すべきかについても見ていきましょう。
下痢の原因は?
下痢は基本的に腸の調子が悪い時に起こります。大腸で吸収される水分が少なくなると便が多量に水を含んだものになり下痢になります。
感染症や薬剤、腸の病気や腸に悪い生活習慣などが下痢の原因となります。下痢の原因や対処などを見ていきましょう。
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暴飲暴食
飲み会などでつい、いつもより多くのものを飲み食いしてしまった。そんな時にお腹が痛くなったり下痢をしてしまう。よくあるエピソードですね。のみすぎや食べ過ぎは胃腸の負担となり下痢を引き起こすことがあります。
こうなった時は胃腸に負担をかけないことが大切です。冷たいものや刺激物をさけ、常温での水分補給を少しずつしていきましょう。食事は消化の良いものから始めましょう。りんご、ジャガイモ、青菜、人参などが消化の良い食べ物としてあげられます。小さく切ってよく火を通して食べましょう。肉や魚は脂肪の少ないものが良いです。鳥のササミや白身魚が該当します。
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刺激物、アルコール、冷たいものを沢山飲み食いした。
刺激物(唐辛子などの香辛料)やアルコールによる腸の刺激により腸の蠕動運動が亢進してそれによる下痢を引き起こすことがあります。このような時にも胃腸を休ませる必要があります。
また冷たいものを飲み食いしすぎると体が冷え、その結果として消化機能が落ちて下痢になる可能性があります。またクーラーなどが直接当たるところで長時間いたりして、外から冷やされた時も要注意です。
対処法としては体を温めるようなものを飲んだりカイロなどを使ってお腹が冷えすぎないようにするのが効果的です。
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ストレス
強いストレスは自律神経のバランスの崩れを招き、下痢の原因となることがあります。また、ストレスは後述する過敏性腸症候群の発症・悪化の原因となることもあります。対処法としては休息をとる、趣味などを作りリラックスする時間をとる、運動やストレッチをする、といったものが挙げられます。
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感染性腸炎
ウイルスや細菌といった病原体に感染することが原因で起こる腸炎です。下痢や嘔吐、腹痛などの症状が急に出てくる時に疑われます。
ウイルス腸炎ではノロウイルスやロタウイスルが有名です。細菌性腸炎は生物の摂取や加熱が十分でない食品の摂取が原因となり、大腸菌が代表的です。
人から人へ移りますので周囲に急に下痢をした人がいる時は注意しましょう。
手洗いやうがいなど基本的な感染予防策も有用です。
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過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は検査で異常が見つからないにも関わらず下痢や便秘をきたす疾患で、多くは慢性の下痢を引き起こします。電車に乗った時や、人と会う前に突然腹痛があり、トイレに行きたくなるといったパターンがよく知られています。ストレスなどの関与が考えられていますが、原因はよくわかっていません。
ストレスの除去や、規則正しい生活習慣が症状の緩和に有効と言われています。薬物療法もあるので症状が強い時や、治らない時は医師に相談しましょう
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薬剤性下痢
薬剤、特に抗菌薬を服用していると下痢の原因になることがあります。抗菌薬は菌を殺したり増えなくして治療する薬ですが、これによって腸内細菌のバランスが崩れることがあります。これによって一時的に下痢気味になることがあります。対応としては整腸剤の内服などがあります。新しく薬を初めてから下痢がある、、、という方は医師に相談しましょう。
クローン病・潰瘍性大腸炎
消化管の炎症が慢性的に続く、炎症性腸疾患と呼ばれるグループに属する疾患です。どのくらい炎症が強いかで症状は様々ですが、発熱したり、便に血が混じることがあります。また腹痛や下痢が長期間続くこともあります。稀な疾患ですので、専門医に相談する必要があります。これらの症状が長期間続く時は医師に相談してください。
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大腸癌
大腸癌も下痢の原因になります。初期の状態ではあまり症状がないのですが、進行してくると便秘と下痢を繰り返す、便に血が混じる、便が細くなるといった症状が現れることがあります。大腸癌の早期発見には検診を活用しましょう。
下痢にならないために
まず下痢にならないためには腸内環境を整えることです。
規則正しい生活習慣、運動習慣、バランスの良い食事が大切です。これらを改善することで腸内環境を整えることができます。
下痢になったら
下痢になると、水分を取らないようになる方を時折見かけますが、下痢の時は水分や電解質が不足しやすいのでこまめな水分補給を心がけましょう。
また冷たいものはなるべく避けて、常温の飲み物で水分補給をしましょう。
下痢止めについては、感染や毒素による下痢は体からよくないものを出すための防御反応なので無理に止めるのはあまり得策ではありません。
それ以外の下痢では脱水や体力の消耗を避けるために有効な場合があります。不安な場合は専門家に相談しましょう。
血便や強い腹痛を伴う場合は緊急に対応すべき疾患や専門医に見せるべき疾患も考えられるので、なるべく早く医療機関を受診してください。
今回は下痢についてまとめました。身近な不調ですが、大きな悩みのタネになる『下痢』、うまくコントロールして悩みのない日々を送りましょう。